翌日、天気もよくいい日和となった
「うむ、ではいってらっしゃい。ドスギアノスは山中の洞窟を抜けた先に群れを成しているからの」
「わかりました」
「いってきます」
アルとイーリスは威勢よく飛び出して行った
数十分後・・・・・
「ねえ、アル」
「ん?なんだ?」
「洞窟って私たちがジャック村に行く時に雨宿りしたあの洞窟のことだよね?」
「さあな、少なくとも、俺達はあれ以外に見かけなかったってことは事実だけどあれかどうかはな」
「ふ~ん」
「まだなんかあるのか?」
「べっつに~。あ、みてみて。キレイなお花~♪」
「はぁ、まったく」
2人はリドルが言ったとおり、散策ついでにドスギアノスを探していた
といっても内容の大半を占めているのはイーリスなわけだが
「ほらほら、あんまりのんびりしてると置いていくぞ」
「あ、まってよ~」
アルの背中をイーイスが追いかけていく頃に山も雪を積もらせていた
・・・・・・
「あいかわらず寒いなぁ、ここは」
「雪山なんだから当たり前だろ」
「そりゃそうだけどさぁ」
などと問答を繰り返してるうちにあの洞窟にたどり着いた
「ここだよね」
「たぶんな、いくぞ」
「うん」
なかは洞窟だけあって外より格段に気温が低くなっていた
「う~、寒」
「寒い寒いっていうから寒くなるんだ」
「暑い暑いって言ったって暑くなんかならないけどね。それにしてもよくアルは平気だね」
「別に平気じゃないけど」
「だって全然寒そうじゃないよ?」
「寒いって言ってたってはじまらないだろ」
「まあね。あ、出口かな?」
イーリスが指さした壁が光を反射していた
「綺麗・・・・」
イーリスがそう零したのも無理はなかった
洞窟に入った光は氷で反射と屈折を繰り返し、なんとも幻想的なものとなっていた
「どう?アル」
淵から外を見ていたアルにイーリスが問いかけた
「し、たぶん、当たりだ。ギアノス達が群れをなしてる」
「さて、どうするの?」
「・・・・・」
アルは少し考え込んだ
数十秒ほど顎を抱えた後、開けた外を指さした
「オレがあいつらを引き付けるから、その間にお前はあの高台に上れ」
「うん、わかった」
「よし、いくぞ」
アルは掛け声とともに広場へと飛び出した
日常にはない異物を感知したギアノスの群れは一斉にアルをとらえた
と、その隙をついたイーリスが大勢を低くして駆け、高台へと上った
「さて、一仕事しますか」
そういうと、イーリスはポーチから角笛を取り出し、高く吹いた
その音色に気がついたギアノス達が標的を変えた
一丸となってイーリスに向かっていく。が、高台に爪はかかるものの上ることはできなかった
「残念でした~、さ~て、いくよ~」
と、イーリスが背中の弓に手をかけた
ヒュン ヒュン ヒュン
一発一発、素早く、かつ狙いをつけて放った矢は確実にギアノスに損傷を与えていた
「さて、オレもやるかな」
アルはギアノスの集合に突っ込むと向かってくるギアノスを交わしては切り交わしては切り、一体ずつ仕留めていった
やがて、周囲のギアノスも数が減ってきた頃
「ギァ、グワァ」
一際大きなギアノスがいた
「発達した鶏冠、大きな爪、間違いないな」
「だね」
「よし、イーリスは周りのを頼む。オレが親玉を討つ!」
「りょーかい!」
そういうとイーリスは再び角笛を吹いた
周囲のギアノス達はイーリスに向かっていった
「はああ!」
ドスギアノスに気合を込め、斬り上げを放った
「ギァァ!」
ドスギアノスもやられる一方ではなかった
大きな爪で反撃を繰り出してきた
「はっ」
その攻撃を盾で防ぐと、懐目掛けて剣を放った
「とどめだ!」
ズシャッ
見事にドスギアノスの心臓部下あたりに剣が刺さった
そのままドスギアノスはそこに倒れ伏してしまった
「ふう」
アルは一息ついた
「アル!休んでないでこっちも手伝ってよ!」
見ると高台の周りには10体ほどのギアノスが囲んでいた
「おお、今行く」
と、そのとき、イーリスが周囲を指さした
「アル、あれ!」
「ん?」
なんと20体以上近くのギアノス達が道をふさいでいた
「ど、どうしよう」
「どうするも何も、戦うっきゃないだろ」
そう遣り取りをしていたときだった
ギアノス達の体が一体、また一体と打ち上げられていった
「なんだ?」
「アル、誰かいる!」
見るとギアノス達のなかに人影があった
やがてすべてのギアノスを切り捨てるとその人影がアルより少し年上くらいの男だということが確認できた
「おう、お2人さん、大丈夫か?」
「え、ああ、はい、おかげ様で」
「そっか、そりゃよかった」
「あの・・失礼ですが、どちらさまで?」
「ん?ああ、それは向こうで説明するから、とりあえず村に戻ろうぜ」
そういうとその男は洞窟の中に入って行った
「なんなんだろう」
「さあな」
状況を把握できていないながらも2人ともひとまず村に戻ることにした
「おーい、2人ともいるか?」
「はい」
「悪いな、待たせちまった。村長のところにいくぞ」
「わかりました」
村長宅は村の一番下にあった
「オババ、はいるぞ」
「お邪魔します」
「お邪魔します」
「おお、いらっしゃい」
オババ、と呼ばれた老人は、見るからに村長という風格があった
「まずは自己紹介からしておこうかね。儂がこの村の村長をしてるオババじゃ」
「あ、アルフレッドといいます」
「イーリスです」
「うむ、アルくんとイーリスちゃん、聞いてたとおりだね」
「はい?」
「いやぁ、こっちの話じゃよ」
「は、はぁ・・・」
ホッホッホとお決まりのような態度を見せた後、オババの顔はビジネスマンののようにつめたものになった
「ふむ、では本題のほうに入ろうかね」
「はい」
「知ってのとおり、今回のハンターの募集は経歴を問わなかった。なのでな、お主らの実力は把握してないのじゃよ。そこでじゃ、お主らの実力を見極めさせてもらうために、いくつかの試験を用意させてもらったのじゃ。まあ、このくらいのクエストをクリアできれば、とりあえずは採用させてもらうよ」
「ようするに、採用試験ってところですね」
「ま、平たく言えばそんな感じだ」
「じゃな。どうするかえ?」
「・・・もちろん、やりますよ」
「うむ、ならば、リドル、とりあえず説明はお主からしてやれ。そうそう、それからお主らが昨日寝泊まりしたあの小屋は今後も自由に使ってくれて構わんのでな」
「わかりました、ありがとうございます」
「ホッホッホ、では、気をつけてな」
アル、イーリス、リドルの3人はおりあえず、小屋に行くこととなった
着く否や、リドルが1枚の紙を取り出した
「それじゃ、とりあえず雪山を走破してもらおう、と言おうと思ったんだが、お前は2人ともあの山の雪崩を迂回してきたんだったな」
「はい」
「なら、こいつはパスでいいな」
「え?でもあれ以外にも道は・・・・」
「ああ、あっちのほうは危険地帯だし、走破のルートには含まれてないからな。とりあえずパスしてくれて構わん。さて、テストのもう1つだが」
「・・・・」
「・・・・」
「このあたりに生息してるギアノスは知っているな。あいつらの筆頭である大型種、『ドスギアノス』を倒してきてもらいたい」
「ドスギアノス、ですか」
「そうだ。普通のギアノスより発達した爪と体、それに頭の大きく赤い鶏冠(とさか)が目印だ。とりあえず、こいつがクリアできれば採用だな」
「わかりました」
「出発は明日で構わん。出発してからも、期限は特にないから、のんびりと雪山の散策でもついでにやってこいや」
「は、はぁ」
「じゃ、オレはそろそろ帰るからな、しっかりやれよ」
「はい」
「はい」
そう言い残すと、リドルは帰って行った
2人とも明日に備えて今日はもう休むことにした
その夜・・・・
「アル?もう寝ちゃった?」
「ん?いや、まだだけど」
「ちょっとだけ話そうよ」
「別にいいけど、あんまり長くするなよ?」
「わかってるって」
そういうと、イーリスが少し体を起こした
「あのさ、明日のことなんだけどさ」
「ああ」
「えっとさ、その、えっとぉ・・・」
「なんだよ、切れが悪い」
「なんかうまく言えないけど、がんばろうね」
「あたりまえだろ」
「そりゃそうだけどさ」
「あんまりくだらないこと言ってないで、さっさと寝ろよ」
「あ、ちょっとアル、アルってば!」
「・・・・・・」
「もう・・・・ま、いっか」
イーリスが眠りにつくころには、月光がジャック村を包んでいた
_____________________
ども、凛楓です
第2話になってもいまだに2人まクエストに出ていません!
なぜでしょう!
それはズバリ、著者に文章力がないからです!(ジブンデイウナ ('o")つ)’O’)ボヘッ
次回こそ、次回こそはクエストに出かけさせたいと思います
では、また次話でお会いしましょう
「こ、ここは?」
アルは真っ暗な世界に一人たたずんでいた。
「・・・・なにもない、真っ暗だ」
アルはとぼとぼと歩きだした。アルのいるところは無限回廊のように延々と広がっていた。
数時間後・・・・・
「う~ん、結局何もなかったな」
アルはあの後、ずっと歩いていたのだ。薄々は感じていたものの、やはり何もなかった。
「ここはどこなんだ?オレはどうしてここにいるんだ?」
と、アルは先ほどの竜との激戦を思い出した。
「そう・・か・・・。オレ、あの竜と戦ってて、それで・・・そう、崖から落ちたんだっけ?・・・てことは、ここは死後の世界ってやつか?てっきりオレは死んだあとは三途の川の前にでも行くのかとおもったのによ」
アルはそうぼやくと、その場に座り込んだ。
「イーリス、元気にやってるかな。まさかあの後すぐに戻ってきてることはないと思うけど、やっぱり心配だな」
アルの目はだんだんとまどろんできた。
「はぁ、眠いぜ。一眠りするか・・・そうだな、考えるのはそのあとにしよう」
そのまま、アルは深い眠りに落ちた。
「・・ル、ア・・、・・・アル・・・」
アルは朦朧(もうろう)とした意識のなかでかすかにその声を捉(とら)えた
「?オレを呼んでいるのか?」
「アル・・・・」
「誰だ?オレを呼んでいるのか?」
「アル・・・、アル・・・」
その刹那、アルの意識は白い光に包まれた。
「アル!アル!」
「う・・・ううん」
「アル!!!」
「イー・・・リス?」
「はぁ・・・・アル。良かった」
「ここは?」
「うん。ここは、私たちがいこうとしていたジャック村だよ。」
「ここが・・・そっか」
「もう本当にビックリしたんだよ。雪の中で倒れてた時には」
「ハハハ、面目ない」
「まったく、逃げ脚には自信があるなんてどの口がいったのやら」
「そういうなって」
と、そのとき、休んでいた小屋に長い口髭を生やした男が入ってきた
「おう、目が覚めたか」
「えっと・・・」
「ああ、悪い悪い、自己紹介がまだだったな。俺はリドル。ちょっと前までこの村でハンターやってたけど、任務中に怪我しちまってな。今は引退した身だ」
「はあ」
「リドルさんが、ここまで運んでくれたんだよ」
「あ、そうでしたか、すいません、お礼もしなくて」
「いや、いいさ。それより、先に村長のところに、って行きたいんだけど、あいにく今は留守でな。まあ、何にも無え村だが、見物でもしててくれや」
「はい」
「アルはまだ寝てようね」
「え」
「寝てようね」
「わかったわかった」
そう言い聞かせ、イーリスは小屋を出て行った
半ば、イーリスに強情されたアルはおとなしく寝てることにした
一方イーリスはというと・・・・
「う~ん、何もないけど、空気は最高ね」
アルのことなど忘れたかのようにジャック村を堪能していた
「景色もいいし、空気もうまい!おまけにそれほど寒くもないし。ホント、快適ねぇ」
どうやらジャック村を気に入ったようだ
やがて、日も暮れていった
「ただいま~」
イーリスが戻ってきた
「ん、お帰り」
「リドルさんは?」
「いや、まだ来てないよ」
「そっか」
「ふう、今日は疲れたし、先に寝るぞ」
「あ、うん」
そういった間もなく、アルは寝てしまった
「あれ?そういえば、私はどこで寝るんだろう」
見てみれば、部屋はここしかない
「もしかして・・・・アルと一緒の部屋とか・・・」
そういうことだろう
「だろうなぁ。・・・・・・アルなら・・・・大丈夫か」
そう呟(つぶや)くと、イーリスも寝てしまった
結局、村長が戻ってきたのは明朝早くとなった
_____________________
どうも、凛楓です
超久しぶりの更新ですね
序章なんて2話だけでしたからね。1章くらいはもうちょっと持たせて見せます
というこおで1章なのですが、集い、ということで、仲間の全員が集まるまでを描いていこうと思います
そのうち1章2話も書くので乞うご期待(しないほうがいい。どうせ駄作になるでしょうし(苦笑)
イーリスがひょこっと洞窟から顔を出した。
「イーリス、出発するぞ」
「あ、うん」
あれから、2時間後。日も沈みかけてて、寒さもだんだんときびしくなってきている。
「うぅ、寒い。」
「だからさっさと下るんだろ?早くしろよ」
「そんな言い方しなくてもいいのに・・・」
「無駄口叩かない。さっさと歩く!」
「はいはい。」
あの嵐(?)はどこえやら、と言わんばかりの快晴にこころも弾んでいるのか、イーリスの足取りはなかなか軽かった。
そして、雪山を半分ほど降りてきたときだった。
「ん?アル、今、何か聞こえなかった?」
いや、何にも・・・」
「グ・・・ァァ・・・・」
「ほらまた」
「オレはなにも聞こえなかったぞ」
「・・・・・・・」
「な、なんだよ」
「信じてないでしょ?」
「聞こえないんだから信じられるかっての」
「ちぇ、ひどいんだから」
「はぁ?よくわかんねえよ」
「いいの、わからなくて」
「それどういう意味だよ」
「ほ~ら~、さっさと歩こう?」
「あ~あ~、わかったよ。ったく」
そして、20分ほど歩いた頃・・・・・
「グガァォ!、グガァォ!!」
「アル!」
「ああ、オレにもちゃんと聞こえたぜ」
「一体どこに・・」
「気を抜くなよ、イーリス」
「うん・・・・・・・・・・!!!アル!上!」
「うえ?おわっと!」
ドゴォーーン
その姿はけたたましい竜だった。同時に、あのイーリスが聞いた雄たけびの主でもあった。
「アル!逃げよう!」
「・・・逃がしてくれそうにないな、こいつは」
「グゥ、グゥ」
謎の竜は臨戦態勢に入っていた。目を離したら隙を与えてしまう。アルはちゃんとわかっていた。それはもちろん、ハンターであるイーリスにも同じことが言えた。しかし、イーリスは相手が自分達ではかなわないと感じ取り、逃げる、としかいえなかったのである。
「イーリス、弓で援護を頼む」
「・・・・分かった」
と、アルが斬りこんだ。
それをかわした竜はすかさず飛び退り、アル目がけて突進してきた。
紙一重でそれを交わすと、イーリスに手で合図をした。
合図を受け取ると、イーリスは引き絞った弓を放った。
しかし、その弓は竜の皮膚で折れてしまった。
すかさず切り込むアルの剣も、竜に傷一つつけることはできなかった。
「くそ、効いてない」
「そんな・・・・」
「イーリス、オレが時間を稼ぐから、その間に逃げろ」
「え、いやだよ、そんなの!」
「うるさい!わがままいうな」
「でも!」
「いいか、オレが時間を稼ぐからその間に村に行って、救援をもらってくるんだ。大丈夫、逃げ足には自信ありさ」
「・・・・アル・・・・」
「いいから、いけ」
「うん、わかった」
アルは剣と盾をうちならして、竜を挑発した。
「ほらほら、おまえの獲物はこっちだぞ」
「グ、グアァァ、グガアァァァァァ」
「よし、うまくいったな」
竜の突進をまたも紙一重でかわすと、叫んだ
「いまだ!イーリス。走れ!」
アルの声よりも早くイーリスは駆け出していた。
「ふう、あいつはこれでひとまず安全だな。こい!オレが相手だ!」
「グガアアアアアアアァァァァァァァァ」
竜はひときはけたたましい雄叫びを放った。
「う、く、あぁ。み、耳が・・・」
必死に両耳を押さえているアルに竜は地面に手を入れ込むと、そのまま土ごと雪を投げ飛ばしてきた。
当然ながらアルにそれをかわしことは出来ず、直撃を喰らった。
「うわあああぁぁぁぁぁぁ」
そのままアルは崖に落ちてしまった。
落ちていく最中、アルは、ふと思った。
「オレ、このまま死ぬのかなぁ、ハハハ、あっけねぇ」
アルの身体と意識は、斜陽の黄昏に沈んでいった。
________________________________________________
はい、どうも八神です。
今回は、アルが大変な目にあってますなぁ。
イーリスを助けようと、身をていしたその行い、「うわ、キモッ!」
とか思わないでくださいね。これが考え付いた精一杯でした・・・
さて、MHP2ndを持っている方なら、この竜の正体はわかりますね。そう、アイツです。
さて、アルは崖から落ちましたが、もちろんストーシーを進めていくため、死にはしません。
まあ、アルがどうなったのかというと、それは見てのおたのしみ。
では、第3話で、また・・・・see you again!(*^-')/~☆Bye-Bye♪
イーリスがうなるように言った。
「そんなにチンタラ歩いてたら日が暮れちまうぞ」
「そんなこと言っても・・はぁはぁ・・・キツいものはキツいもん」
「それだけムダ口叩く余裕があるなら平気だろ。さっさといくぞ」
「え~、今、やっと崖、のぼり終わったところだよ~。少し休もうよ~」
ここはカレリウラ山脈に属する雪山。カレリウラ山脈はその高低差と気温からなる景色が有名な山だが、登ると見るとでは大違いで、さすがのイーリスも音をあげている。
「しかたないな。少しだけだぞ」
「はぁはぁ・・・・ありがと」
この2人、アルことアルフレッドとイーリスはハンターである。ハンターとは危険生物の討伐や物品の回収などの依頼をこなして生計をたてる者の総称として呼ばれる。
今回は、村専属のハンターを捜しているという広告を見て、ギルドに連絡をとったところ、経歴はかまわないという言葉にイーリスが飛びついた形で村にむかっている最中なのである。
「ほら、ホットドリンクでも飲めよ」
「あ、ありがと。はぁ~、あったか~い」
「あれほど準備をしてこいっていったのに、肝心のホットドリンクを忘れるとは・・・」
「忘れたわけじゃないよ!ただ、持ってきた個数が少なかっただけだもん」
「どっちだって一緒だろ」
「だって、登山道がふさがってるなんてきいてなかったもん」
実は、本来通るべき登山道が雪崩によってふさがっていたのである。故に、山頂から遠回りをしていかなければならなくなってしまったのである。
「まぁ、そりゃそうだけどさ。不測の事態ってのも考えろよな」
「そんなこと言ったって」
「だ~もうやめやめ。喋れるくらいに元気になったんならいくぞ」
「あ、待ってよ~」
ポタッ ポタッ
「「ん、冷た~~い」
「雨?めずらしいな。こんな高い山に雨が降るなんて。降ってこないうちにさっさと下るぞ」
「うん」
ザーー
幾時(いくどき)も待たずに雨は降り出した。
「やばい。走るぞイーリス」
「え、ムリだよ、そんなの。ヘトヘトだよ~」
「こんな時にそんなこと言ってる場合か!」
「あ、アル。あそこ。あそこの洞窟で雨宿りしようよ」
そこには雨宿りにはおあつらえ向きな横向きの洞窟があった。
「しかたない。行くぞ、イーリス」
「あ~ん。それでもやっぱり走るのね~」
ピシャーーン ゴロゴロ
「ひえ」
「雷だな。まったく。異常気象か?こりゃ」
「あ、アル、見てこれ。ガイドブックに『カレリウラ山脈では突発的な擬似台風雷雨現象が起きるって書いてある」
「それを早く言え!」
「あぅぅ」
ピシャーン ゴロゴロ
「もう、私って雷苦手なんだけどなぁ。ねえ、アル。次に雷が落ちたら抱きついていい?」
「おことわりだ」
「もう、ノリが悪いなぁ」
ピシャーーン ゴロゴロ
「はぁ、しばらくはここから出られそうにないなぁ。これこそ不測の事態ってやつ?」
「だな。止んだらさっさとこの山を下ろう。ちゃんと休んでおけよ」
「うん、わかった」
ピシャーーン ゴロゴロ
2人は雨の降る外を眺めながら思い思いに体を休めた。
雷鳴に雄たけびがまじっていることも、自分達がどうなるかも知ることなく・・・・
はい、どうも琴夫です。
今回、妙なところに原作をいれつつも、かなり原作を無視してつくりました。
ハッキリいって自信ないです。
まぁ、感想なんか書いてみてくださいよ。
P,S,ピシャーン ゴロゴロ を使いすぎたことに後悔。
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